大学と高校までの違い・・・

毎年この時期になると「社会人基礎力育成GP」の事務局jから出場を打診される。無論、本学の取り組みをコンペに出してみないか?とのお誘いであるから断る理由はない。

 

巷でこの「社会人基礎力」というものがどの程度理解されているのかは不明だが、「基礎」とついているので勝手にBASICなイメージをしてしまいがちになるかも知れない。そしてBASICなんて聞くとこれまた勝手に「レベルが低いもの」と判断してしまうので注意が必要だ。スポーツでも芸事でも、もちろん勉強でもそうだが、基礎・基本を疎かにして大成した事例はあまり聞かない。一方で、成功者たちに成功の要因を聞くと、必ず返ってくる答えが「基本をみっちりやったから」「基本を反復したから」「基礎が一番大事だといつも壁にぶち当たった時には立ち戻って取り組んだ」なんて類のことだ。よって、私は「基礎はBASICにあらず、ESSENTIALだと心得よ!」と学生に教えるようにしている。

 

しかし、厄介なのは大学という枠組みである。マイナーチェンジは随時行っているが、現代学生の状況やレベル、企業社会から求められている現実に十分に対応できるシステムにまでは変化し切れていない。高校までの学校教育では担任が「毎日」生徒と顔を合わせる機会があるので、問題点の把握や対応も比較的タイムリーに行い易い。また、教師側に相応の話術があれば、生徒のモチベーションを高めることは難しくない。それが大学になると、学生と接するのは基本的にゼミの時と担当科目をゼミ生が履修している時だけである。しかも授業の時にはHR的な指導を行う時間はそうそう取れるものではない。したがって、教員、ゼミ生共に同等に積極的に関わり合わないことには、学生の成長は覚束ないことになってしまう。

社会人基礎力は「前に踏み出す力(アクション)」「考え抜く力(シンキング)」「チームで働く力(チームワーク)」から構成されているが、実際の企業社会では毎日求められる必須能力であり、どれも「積極性」を伴っていなければならない。ところが、高校までの教育を通じて完全に受け身化されているのが日本の実態である。その結果、大学生は「後ろから座り」「質問はせず」「イベントにも無関心」というのが普通だ。これを週1-2回程度の接触で変えていくのは尋常なことではない。

そこで、現状できる手立てとしてこれまでにもあれこれと試してきたのだが、未だ画期的な手法が確立できたとは言えない。メールやLINE、Facebookの利用は当然であるが、どれも決定的な打開策とは言えないのが実情だ。その最大の理由は、学生が自分の都合で情報を判断し、意思疎通の作業を遮断するところにある。会話やメールでのキャッチボールがこちらからの「投げっ放し」になっているのだ。できる人間は勿論沢山いる。そういう人間は就職活動においても実力を発揮できるので心配はいらない。問題は大学4年生の後期になっても「積極性」のスイッチが入らない人間だ。それがいかに危険なことなのかを理解させるのにどのような手法が効果的なのか?

九州共立大学経済学部スポーツビジネスコースは今、正にチャレンジの最中である。

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