量より質という言葉はあるが・・・

学生指導において教育効果を期待するには、今や「量も質も」高めていかなければ叶わない。そんな時代である。

僕らが学生時代にも先生方は同じような思いでいたのだろうか?思いを馳せてみたが想像できなかった。何故なら就職ではバブル経済全盛の売り手市場だった。過ぎてしまった今では想像もできないだろうが、企業に体力があり、それは金銭的な面よりは時間的余裕で活用された。

つまり、新人教育において1~3年間を充当できたのである。何も知らない状態で入社しても企業が自分の企業色に染めることができる分無知でも構わなかったというと言い過ぎだろうか?しかし、現実にそれが罷り通った時代があったのだ。

今はさにあらず。社会人基礎力や即戦力が求められる時代。学生は在学中から内定をもらった順に社員研修が行われることも少なくない。半分は大学生、半分は企業人。まるでギリシア神話に登場するケンタウロスさながらの存在である。無論、それほどの力はない。

まあ、冗談はさておき、企業が具体的な能力を求めている以上は、それに見合うか、少なくとも少しでも近づいて「可能性」や「伸び率」を感じさせることは重要である。そのために教育を施すのであるが、そこに効率を求めるのは難しく、効率を求めても良いレベルに到達するまでは量も質も高めていくしかないと実感している。

本日も研究室に3年生がやってきた。実家へ帰省した際の手土産を持参して。内心、そんな気を使わなくても良いのにと思いながら面談に入った。
「お忙しいところ時間を取っていただきありがとうございます」
「気にするな。仕事だ」
「はあ。ありがとうございます」
「それで今日はどうしたんだ?」
「実家帰って親とも話したのですが・・・」
「ああ、親父さんは公務員を薦めてあったぞ(保護者懇談会にて)」
「はい。それで、自分も警察官か消防士を受けてみようかなと思って」
「何で?」
「・・・」
「取り敢えずって手もあるけど、何か他にしたいことはないのか?」
「あまり知らないんですよね。何やって良いかも実際分からないし」
「そうか。しかし、それを俺に聞いても分からないぞ。何故かと言うと、俺自身お前のことがよく分からん」
「・・・」
「まあ、お前に限らず、3年生のことはほとんど誰のことも分からない」
「・・・」
「今の4年生も歴代最低だが、お前たちはそれ以上にダメだな。何でかと言うとゼミ活動の実績が何も無いのでコメントできないんだよ。4年生は何だかんだ言ってもいくつもイベントを主催して数をこなしてきたという実績を持っている。それは事実だ。あいつらにはそれを遂行するまでの報告や連絡、相談といったチームワークをこなしていくプロセスでの業務が不十分であるのと、詰めの甘さという欠点が解消されていないが、事実の強みはあるぞ。それでも就職活動では苦戦中だ」
「自分たちはやっていないですもんね」
「そう。だけど、俺は最初からネタは振っていたし、チャンスは平等に与えていた。それを選択しない、やらない、という結果にしたのはお前たちであって、俺は何一つ強制も強要もしていない」
「確かにそうです」
「この夏休みも、3年生で研究室に来たのはお前とYだけで、他は何をしているのかも知らない。各学年のゼミ長にメールを回しても3年生は極端にリターンが悪い。合宿も主催は2年生。内容が良いか悪いかは別としても3年生の参加だけゼロだった。責めているのではなく俺は事実だけを伝えている」
「ヤバいですよね」
「やばいだろうなあ。武器がないしね。就職の面談なら強み無しと一発で撥ねられるな。てか、俺なら絶対に採用しない。絶対にだ」
「・・・」
「ゼミ活動期間が3年間だとして既に1年半が過ぎているが、もう50%は無駄にしていることになる。そんな無駄をする人間を企業が採用すると思うかい?」
「思いません」
「だろ?それを俺は最初からずっと言って来た。同じこと何回も聞いたことあるだろ?」
「はい」
「どうするよ?」
「考えます。そしてまた来ます」
「甘いな。考えてもその間に時間が過ぎるぞ。これ以上まだ無駄に過ごすのか?お前たちに決定的に欠けているものはコミュニケーション能力だ。それを高めずして公務員も民間企業も無理。そして武器を手にすることもできない」
「どうすれば?」
「簡単なことだ。3つだけ教えてやろう。1)・・・・・・・・・、2)・・・・・・・・・、3)・・・・・・・・・だ。これで必ずお前は成功できる」
「なるほど。それ頂いて良いですか?」
「良いよ」
「でもパクったら著作権侵害で・・・」
「馬鹿、良いんだよ。俺達(教員)はお前たちが成功することが一番嬉しいんだから。成功して恩返ししろ(笑)」
「はい。まずそこからやってみます」

そう言って帰る時の学生の表情は来た時より随分と明るくなっていた。
さて、3つの方法とは何か分かるだろうか?九州共立大学経済学部スポーツビジネスコース森部・長野ゼミではこれを教えているのだが、この手法は普通にビジネスの世界でも通用する言わば究極のコミュニケーションスキルだ。「できる」と言われる人なら誰でも使っている。

勉強したい人はオープンキャンパスに参加して欲しい。
明日9月22日が2012年度最後だ。

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