教えと学び・・・

私には何人もの師匠がいる。

その中でもマーケティングとビジネスプランニングについて指導してくれたAM氏には手厚く指導していただいた。

彼は既に故人であるが、存命中には小売団体再生機構というNPOも手掛けていた。ちなみにこの組織には、私のかつての教え子を雇用していただいた。

A先生の死因は動脈瘤の破裂だった。彼は常に人生を楽しみ、全力を尽くす人だったので、(本人としては仕事の面では)決して後悔はしていないだろう。しかし、その一週間前にはミーティングしていた私を含めた弟子各位においては、あまりの突然さとまだまだ沢山教えていただいきたいことが山積みだっただけに呆然としたものだ。

尤も、そんな様(さま)を好まないA先生の人柄も熟知していたので、すぐに各自は日常のペースを取り戻したのだった。

さて、その素晴らしいA先生に教えていただいたことの一つに「井戸を掘ってくれた人から受けた『恩』を忘れてはいけない!」という言葉がある。それはどういう事か・・・

彼は非常に人の好き嫌いが烈しい人だった。一度「嫌い」となれば全く口をきかないし、「あいつは・・・だから」とまで解説する位なのに、当の人物が彼のオフィスを訪ねてくれば入ることは拒まないのである。彼の所には常にお弟子さんたちが入れ代わり立ち代わりで来ていたので、彼がその人物と話をしなくてもお弟子さんたちが上手いこともてなしていた。それにしても、である。私何かだと、(そんなに嫌いだったら入れなきゃ良いじゃないか・・・)と当時は思っていた。

が、A先生いわく、「俺はあいつの・・・な所が大っ嫌いったい。頭来たんでもう絶対口もきかんぞー。だけんここに来ても俺があいつとしゃべりようとこ最近は見たことなかろうが。じゃけどなー、あいつがお前(森部のこと)を俺に紹介してくれたやないか。それは感謝しとーと。個人的な好き嫌いはあってものぉ、井戸を掘ってくれた『恩』を忘れたらいかんぞ!」とのことだった。

(おおお・・・)普段は私のことを「おい、森部、この馬鹿」なんて言ってやがる癖に私と知り合ったことに感謝して下さっていたとは・・・。「ちくしょー。重過ぎるぜ。説得力あるじゃねーか」である。

とにかく私はA先生とその人物との関係性を通じて、言動一致の大切さを学んだのだった。ゼミ生にもそれを伝えて行きたいと思う。

ところが一般社会には「恩知らずな輩」が多過ぎる気がしてならない。軽々しく「出会いに感謝」と口にする人は多いが、行動を伴わない軽口であれば叩かない方が良い気がしないでもないのだが皆さんはどうお考えになるだろうか?

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