辻井伸行さんへ・・・

と題された、日本が世界に誇るピアニストの辻井伸行さんへ宛てた手記を出張先のホテルで読みました。

6月27日の毎日新聞朝刊に掲載されていた、その手記の投稿者は、新潟県長岡市在住の主婦の方でした。

私は朝食を食べながら何気なく記事を流し読みしていたのですが、私自身好きなピアニストである『辻井伸行』さんへ宛てた手記だと分かって目が止まったのです。

この手記には
・長岡市へ来てくれた辻井氏に対する感謝
・コンチェルトが始まってからも椅子の座り具合が悪く調整を続けている辻井氏を見てハラハラしていた気持ち
・演奏開始後の驚嘆に値する至極の演奏に対する敬意
・アンコールに応えたマズルカの素晴らしさとそれを称賛する観客の盛大なる拍手および何度も感謝を込めてお辞儀を繰り返す辻井さんの人間性
がしたためられていたのですが、

それに加えてもう一文、
・あなたの演奏を一人でも多くの人に聴いていただきたい。あなたの演奏はみんなのものなので、一度聴いた方はチケットを他の人へ譲ってはいかがでしょうか
という社会へ向けたメッセージが書き添えられていました。

共感するとともに、とても深く考えさせられました。

「何度も聴きたい、いつまでも聴いていたい演奏だからこそ一人でも多くの人に聴いて欲しい」
そのために機会を他者へ譲ろう、という提案です。

これこそ
「愛」
ではないかと。

人は自分の持っていないものを求める強欲な生き物ですが、そのことは決して豊かな人間性を醸成することには繋がっていないように思います。

それどころか、充たされない欲は往々にして他人を傷付けてしまうことが多いようにさえ感じます。

私はこの主婦の手記を読んで、
自分に乏しい「譲る気持ち」について考えさせられたのでした。

限られたジャンルの事ではありますが、
人に物事を教え指導する立場にある人間として、
持っていなければならない感性というか、価値観というか、哲学というか・・・、そういう根源的な教えをいただきました。

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